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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいカビの本

定価(税込)  1,512円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05784-7
コード C3034
発行月 2006年12月
ジャンル ビジネス

内容

カビは私達の周りの至る所に存在し、一般的には私たちの健康を損ねるものとして忌み嫌われている。しかし、有名なペニシリンの発見のように、カビが人類の発展に大きく貢献した例も少なくない。本書は好悪併せ持つカビの実像・活用法から、生活においての注意点などをわかりやすく解説。

佐々木正実  著者プロフィール

1958年東京生まれ、国立大学農学部卒、除菌等の大手メーカーで微生物の研究に従事した後、微生物関連の研究所で微生物と人間との関連等について研究している。百科事典等への執筆にも協力している。

目次

第1章カビっていったい何だろう?

はじめに
1 5億年前から存在するカビ「カビはどこがらきたのだろう」
2 歴史の中で正体を表わしたカビ「研究者の絵がら始まった」
3 日本は“カビ王国”!?「カビはどこにでも存在する」
4 カビは何にでもとりつくのだ「地球生態系の“陰の力”」
5 カビは集団で生きていく「みんなで渡れば恐くない」
6 カビはまさに戦国大名のように大きくなる「勢力を拡大し強大化」
7 カビはどこにでも飛んで行く「1万メートル上空にも」
8 色鮮やかなカビほど短命?「カビも佳人薄命?」
9 カビは地球にやさしい生物なのが?「その作用の研究に期待」
10 カビの研究は今でもコッホの手法「順次稀釈分離法とは?」
11 カビを育てるのは農業に似ている「カビを育てる培養」


第2章カビと人間の生活の関係とは?

12 人間の体とカビ「カビが病原菌から人間を守っている!?」
13 菌は健康の元?「オシッコは無菌」
14 日本の冷蔵庫はカビ天国「冷蔵庫とカビの関係」
15 カビ取りスプレーは逆効果?「前にも増してカビ増殖」
16 飛行機がカビで落ちる?「カビはミサイルをも食う」
17 レンズ、フロッピーなどにもカビはつく「硫酸の中でも生きるカビ」
18 カビが超近代化社会を滅ぼす?「社会崩壊の危機も…」
19 化粧品はカビに要注意「コンタクトレンズにもカビが」 
20 カビはアレルギーを引き起こす「洗濯機も病気の原因に」
21 住まいには冬でもカビが発生する「ちょっとした手間がカビを防ぐ」
22 カビ対策をした家とは?「本来は木枠窓がベター」
23 住まいは夏をむねとすべし「自然共生がカビ対策」
24 エアコンを徹底マークせよ「手術室の中も」


第3章カビと病気の関係

25 カビで病気になるの?「アレルギー、感染症、食中毒」
26 水虫もカビが原因「靴下、靴が要注意」
27 真菌症を招く抗生物質「カビに抗生物質は無力」
28 地球温暖化でカビの危険増大「熱帯の“カビ病”上陸が?」
29 カビを退治するには?「カビ取り剤はカビを増やす!?
30 カビを予防するには「なんといっても風通し」
31 カビと麦とピーナッツ「海外で食中毒」
32 刺激するとがったカビ胞子「トゲがアレルギーに」


第4章こんなに役立つカビの効用

33 日本人の健康を守ってきたカビ「積極的にカビを利用」
34 カビがつくる味噌「最適なご飯との組み合わせ」
35 日本独自に発達した世界の調味料“醤油”「日本人の昧」
36 足利義政も大好物だった漬物「美味しい漬物の秘密」
37 清酒焼酎みりんは、いずれも“兄弟分”「米、麦、芋などを発酵」
38 カツオプシ(鰹節)はカビの恩恵大「日本の味をつくるカビ」
39 独自の香りもカビの力でできる甘酒「「一夜酒」ともいわれ、日本独自のもの」
40 灰は麹の栄養分「自然の摂理にもカビはとりついた」
41 ヨーロッパの食物とカビ「放っておいたのが発端?」
42 地道な研究でカビから守られている食生活「古米、古古米に迫るカビ」
43 あまりにも有名なペニシリンの発見「15年後にはストレプトマイシンも」
44 カビを利用して作られる抗生物質「細菌とのイタチごっこ?」


第5章カビの不思議

45 高級ワインをカビがつくる「貴い腐れ方「貴腐ワイン」」
46 カビがつくる漢方薬「虫下しの特効薬」
47 食べものを包み込むカビ「がっちりとスクラム」
48 肉眼でも見れるカビ「昭和天皇も興味をもった」
49 力強い糞のカビ「南極に60年」
50 水の中にもカビはいる「海、川、汽水にも」
51 夏にだけみつかる虹のようなカビ「キノコを奇形にするカビも」
52 汚い水が好きなカビ「実は掃除屋さん」
53 突然死するカビ「菌糸のないカビも」
54 涙を出すカビ「アリがつくるカビも」
55 伝説とカビ「美少女の眉」
56 植物にコブをつくるカビ「決め手の対策ナシ」
57 香るカビ「恐れ多い香木も」
58 アブラムシが大好きなカビ「害虫駆除の強力助っ人」
59 カビが繁殖するとダニが増殖する?「ダニがカビを食う」


第6章カビの仲間とその働き

60 キノコは菌糸のがたまり「キノコとはカビの大きいもの?」
61 キノコの毒と薬「ファンタジックな世界も演出」
62 注目されるβ-D-グルカン「免疫力向上で大注目」
63 生命現象の元とも言える酵素「化学反応を促進させる」
64 酵母は途方もない増殖力をもつ「酵母もカビの一種」
65 ビールとパンを作る酵母の働き「酵母づくりが正反対」
66 酵母とバイオの今後の研究に期待大「酵母はバイオの母」

【コラム】
●カビは環境変化のバロメーター
●厚い壁
●掃除の仕方
●学者の勇気
●ケネディ
●天敵の天敵
●地中から“髪の毛”
●一転して嫌われ者に
●カビの警鐘

参考文献

索引

はじめに

 「カビ」といえば、私たちはけして良い印象を持っていないものといってもいいでしょう。食べ物にはえ、壁にはえ、風呂場などでは至る所で目につき、そのはえ方は黒ずんで、見た目も悪く、如何にも不衛生な印象このうえなく、さらに食中毒を起こすこともあるということにいたっては、印象の悪さどころではなく、まさに嫌われもの、といっても過言ではありません。
 確かに、カビはこのような面があることは否定できませんし、私たちが住んでいる日本が、世界有数の“カビの国”でもあるのですから、カビは日常的に目立ち、その分、目の仇にもなっています。
 しかし、よく知られているペニシリンのように、カビから作られた医薬品は少なくありませんし、また、鰹節や味噌、醤油、清酒、ビール、ワイン、チーズ等々、カビの助けによって作られる食べ物も少なくなく、それらの食べ物を食べるということは、いわばカビも食べているということにもなるほど、カビは私たちの健康や生活面で大きな力を発揮してくれてもいるのです。
 そのカビは、私たち人間よりはるかに早く地球に登場しました。5億年前などとも推測されていますから、いわばカビは地球上で私たちの大先輩ということになります。また、日本では1200年以上前の『古事記』や『日本書紀』にカビの記述が見られますから、日本人は随分と親しく、かつ長く付き合っているということにもなります。とくに、日本の場合は、それらの書物には「カビが神と化した」と記されているくらいですから、古代からきわめて深い関係にあるといえます。
 そこで本書は、いろいろな意味で馴染み深く身近にある割にはほとんど知らないといってもいいカビについて、いろいろな角度から興味深く見ていきました。また、カビを神ともした日本人ですから、少しくらいカビを理解してあげてもいいのでは、という気持ちも込めています。
 なお、本書の刊行にあたって、日刊工業新聞社の藤井記者には一方ならぬお世話になったことを、ここで改めてお礼申し上げます。

平成18年12月

カビと生活研究会

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