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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいプラズマディスプレイの本

定価(税込)  1,512円

編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05764-9
コード C3034
発行月 2006年10月
ジャンル ビジネス

内容

液晶ディスプレイとともに薄型テレビの代表格として普及が進む「プラズマディスプレイ(PDP)」。本書では、数々の優れた特徴を持つプラズマディスプレイの構成、しくみ、動作、機能、技術開発動向などを図解、2色でやさしく解説する。

(株)次世代PDP開発センター  著者プロフィール

2003年7月に国内PDPディスプレイ企業により次世代PDPの基盤技術を共同で開発することを目的として設立された。2006年第1四半期までに飛躍的な性能向上(発光率5lm/W以上)の可能性を実証することに成功し、その後、一層高効率で高精細なPDPを実現する基盤技術の開発を推進している。

目次

第1章 プラズマディスプレイとは

1 大画面化の幕が開ける
2 プラズマとは何が
3 PDPの発明
4 単色PDPの開発
5 カラーPDPの実用化
6 さまざまな用途を狙ったPDP


第2章 プラズマディスプレイの基礎知識

7 PDPはどうやって絵をつくる
8 色はどうやって出すの?
9 画面サイズの違い
10 テレビ放送とディスプレイ
11 PDPに必要課真空とは
12 電気の流れ方のいろいろ
13 放電とは何か?
14 放電のなかで起こっていること
15 放電を操る
16 PDPのなかのプラズマ
17 発光効率とは何が
18 大画面向きのPDP
19 PDPの消費電力はどのくらい?
20 PDPの寿命はどのくらい
21 視野角が広いPDP
22 PDPは動画応答性がよい
23 動画解像度で精細度を知る
24 眼の特性に合わせる
25 コントラストはお店と家庭で違う?
26 最適視聴距離が短くなるテレビ
27 ブラウン管テレビ
28 プラズマ放電を利用したその他の発光デバイス
29 その他のFPD


第3章 プラズマディスプレイの仕組み-構造編-

30 プラズマテレビの構成
31 PDPの構造
32 PDPのセルの種類
33 リブの構造とその役割
34 誘電体層とその役割
35 光を透過させる電極とその役割
36 保護膜に必要な特性
37 光る蛍光体の役割
38 放電ガスの役割


第4章 プラズマディスプレイの仕組み-動作編-

39 PDPの放電現象
40 メモリー機能の仕組み
41 発光セル選択の仕組み
42 階調を発生させる仕組み①
43 階調を発生させる仕組み②
44 PDPの放電制御を行う駆動回路
45 信号処理回路は映りの心臓部
46 ケースとシャーシ
47 前面フィルターの役割    


第5章 プラズマディスプレイができるまで

48 PDPセットの製造工程 
49 パネル製造工程
50 PDP用ガラスの特性
51 有機成分を含まないガラスの利点
52 PDPの蛍光体
53 小さな壁を作るリブ工程
54 封着・排気工程
55 ACFが活躍するモジュール工程
56 スクリーン印刷
57 フォトエッチングで電極を作る
58 蒸着で金属さえも蒸発させる
59 物質を跳ね飛ばすスパッタ   


第6章 プラズマディスプレイのこれから

60 テレビ以外の応用例
61 どこまで大画面になる
62 高精細が進む映画制作
63 環境負荷の低減
64 低消費電力化
65 さらなる軽量化 
66 PDPの低価格化
67 低コストプロセス
68 高画質大型化のほか、香りも出るテレビも?


【コラム】
ディスプレイなどで使われる光の単位
自然界のプラズマ
高密度なプラズマが利用される核融合
身近なプラズマ
超微細なモノを加工するプラズマ
ガラスとは何か

参考文献

資料索引

はじめに

 プラズマディスプレイパネル(PDP)は大画面薄型ディスプレイとして1990年代に新しい産業用ディスプレイの市場を築きました。さらに、2000年代には大画面薄型テレビを実現し、家庭用の新しい映像文化を創造しま
した。常に大画面の最先端市場を開拓し、いまや、世界中で1兆円を超える産業を創成しました。
 さらに歴史を振り返ると、80年代に橙色のモノクロPDPは液晶ディスプレイ(LCD)に先駆けてラップトップコンピュータに採用されました。しかし、従来のAC型、DC型構造では寿命という基本的な課題を克服できないために、カラーPDPの実用化の可能性を見出せませんでした。このためにLCDに市場を奪われ、産業衰退の危機に陥りました。一方、80年代前半に3電極面放電型というカラー化の基本構造が、後半には映像駆動法がともに日本で発明されました。これらの技術に基づいて、日本のメーカーが世界に先駆けて実用化に成功し、92年には21型フルカラーPDP、96年には42型の薄型テレビが商品化されました。まさに、プラズマテレビは日本で生まれ、日本で育った技術です。
 筆者がカラーPDPの基礎技術開発を進めた80年代には「40型の薄型テレビなんか作っても、日本の家庭には入らないよ」などと言われたものです。しかし、いまや巨大な大画面薄型テレビ市場が生まれており、これはPDPの貢献によるものです。最近はLCDも参入してきましたが、PDPはその大画面テレビに最適な特性を持つがゆえに、この市場のリーディングデバイスとしての確固たる地位を築いています。その高速な応答性能からスポーツ番組をダイナミックに映し出し、高いコントラスト性能と階調性能から映画や劇場番組を美しく映し出します。さらに、大画面の美しい映像はまさに、家庭に居ながらにして、その場にたたずむような美しいアルプスの山並みやエーゲ海の海岸風景を映し出します。このように情報のみならず環境を同時に映し出す新しい映像装置として、テレビというよりはホームシアターを実現しているという方がよいでしょう。
 
 この本は、プラズマディスプレイの基本技術(構造、駆動法)、特徴、市場などをわかりやすく、幅広く解説しています。プラズマディスプレイの理解を深めていただくには、最適な本だと確信しています。消費電力が大きいと誤解されている面もありますが、この本を読んでいただくと、プラズマテレビは美しい映像やダイナミックな動画が写せるだけでなく、実は環境にやさしい省エネテレビであることが理解できます。また、プラズマテレビ業界をあげての研究開発が目指している「さらに軽量で・薄型で・低消費電力のプラズマテレビ」が近いうちに実現できる可能性のあることが理解できます。
 この本は多岐にわたるプラズマテレビ技術を網羅的に優しく解説するために、(株)次世代PDP開発センター(APDC)の研究者が中心となって共同で執筆しました。APDCは日本のPDP製造メーカー各社が出資し、プラズマテレビの最先端技術開発をするために設立された研究開発会社です。2003年に設立されて研究を行い、最近では「夢の5而/W」の発光効率を研究レベルで達成しました。現在はさらに、プラズマテレビが不得意とされている超高精細度のプラズマテレビの開発を目指して研究しています。夢の超薄型壁掛けテレビの実現が間近に迫っています。

 終わりに、本書の執筆にあたりましては業界の多くの方々の文献、資料などを参考にさせていただき、また、一部の方には資料のご提供などご協力をいただきました。厚くお礼申し上げます。さらに、本書の発刊に関しては日刊工業新聞社の奥村功氏をはじめ関係者の方々にはたいへんご協力をいただきました。心からお礼を申し上げます。

2006年10月

株式会社次世代PDP開発センター 
集中研究所 所長 篠田傳

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