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わかりやすい高周波技術実務入門

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ B5判
ページ数 196頁
ISBNコード 978-4-526-05725-0
コード C3054
発行月 2006年08月
ジャンル 電気・電子

内容

「高周波特性に対応した回路」を設計する上での設計上の留意点、および実務対策設計を、具体的に、ポイントを押さえて紹介した本。「わかりやすい高周波技術入門」の続編で、今度は「実践で役に立つ」ことに重点を置いています。

鈴木茂夫  著者プロフィール

鈴木 茂夫(すずき しげお)
1976年 東京理科大学 工学部 電気工学科卒業
フジノン(株)を経て(有)イーエスティー代表取締役、技術士(電気・電子/総合技術監理部門)、関東職業能力開発大学校客員教授
【業務】
・電子映像技術(CCD応用)、高周波技術、EMC技術等の支援、技術者教育(高度ポリテクセンター外部講師)
・上記技術の企業内セミナー
・品質ISO9001/環境ISO14001/労働安全OHSAS18001/マネジメント構築支援業務
・ISO総合マネジメントシステム(品質・環境、品質・環境・安全)の構築業務及び企業内セミナー
【ISO関連資格】
JRCA品質マネジメントシステム主任審査員
IEMA/CEAR環境マネジメントシステム主任審査員
JAB認定環境審査員研修コース主任講師
IRCA OHSプリンシパルAuditor
Eメール rd5s―szk@asahi―net.or.jp
ホームページ:http://www.ne.jp/asahi/est/szk
【著書】
EMCと基礎技術(工学図書)、主要EC指令とCEマーキング(工学図書)、実践Q&A EMCと基礎技術(工学図書)、CCDと応用技術(工学図書)、技術士合格解答例(電気・電子・情報)(共著、テクノ)、環境影響評価と環境マネジメントシステムの構築(工学図書)、実践ISO14000審査登録のすすめ(共著、同有館)、技術者のためのISO14001―環境適合性設計システムの構築(工学図書)、実践Q&A環境マネジメントシステム困った時の120例(共著、アーバンプロジュース)、ISO総合マネジメントシステム構築の進め方―ISO9001/ISO14001/OHSA18001(日刊工業新聞社)、電子技術者のための高周波設計の基礎と勘どころ(日刊工業新聞社)、電子技術者のためのノイズ対策の基礎と勘どころ(日刊工業新聞社、台湾全華科技図書翻訳出版)、わかりやすいリスクの見方・分析の実際(日刊工業新聞社)、わかりやすい高周波技術入門(日刊工業新聞社、台湾建興文化事業有限公司翻訳出版)、わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門(日刊工業新聞社)

目次

はじめに  

第1章 デジタル回路で扱うクロックは低周波から高周波まで含む
 1.1 パルスの周波数スペクトラム  
 1.2 パルスとは周波数の異なる正弦波信号を加算したものである  
 1.3 クロックを伝送することは低い周波数と高い周波数を同時に伝送することである  

第2章 信号の波長について
 2.1 信号を伝えることは波を伝えることである(信号を波としてとらえる)  
 2.2 真空中を進む電磁波の速度と媒質を進む電磁波(信号の)速度はどのように表すことができるか  
 2.3 伝搬する信号の波長が短くなる波長短縮とは  
 2.4 伝搬する信号の波長が短くなるとどんな現象が起きるか  

第3章 集中定数回路と分布定数回路における信号の伝送
 3.1 集中定数回路とは何か  
 3.2 分布定数回路とは単位長さ当たりの回路が多数接続されたもの  
 3.3 集中定数回路と分布定数回路における信号伝送条件(インピーダンス)に違いはあるのか  
 3.4 信号電圧と信号電力を伝送するときの考え方  

第4章 伝送線路の特性と信号の反射
 4.1 伝送線路の構造と回路の定数  
 4.2 伝送線路を伝搬する信号はどのように表すことができるか  
 4.3 伝送線路を伝搬する信号電圧と信号電流はどのように表すことができるか
 4.4 分布定数回路に重要な伝搬定数γ 
 4.5 伝送線路の負荷端における反射係数ρを求める  
 4.6 電圧の反射係数と電流の反射係数  
 4.7 構造を持った伝送線路の特性インピーダンスZ0  
 4.8 特性インピーダンスの計算例  

第5章 インピーダンスマッチングとは何か、マッチングの取り方
 5.1 インピーダンスマッチングはなぜ必要か  
 5.2 インピーダンスマッチングの考え方とその条件  
 5.3 インダクタンス性の負荷を駆動するときの大きな電圧の発生  
 5.4 インピーダンスマッチングして信号を伝送する  
 5.5 インピーダンスマッチング回路を挿入したときの共役の考え方  
 5.6 ビデオ信号はなぜインピーダンスマッチングして伝送する必要があるか(ビデオ信号は波形の品位が重要)  
 5.7 高周波でもインピーダンスマッチングを必要としない場合  
 5.8 シールド技術とインピーダンスマッチングの関係  

第6章 反射が発生することによるさまざまな問題
 6.1 信号伝送における波形のひずみが発生する  
 6.2 回路の誤動作  
 6.3 電力を伝送する場合にロスが発生する  
 6.4 反射が発生すると外部に電磁波が放射される  
 6.5 ノイズにはノーマルモードノイズ(逆方向)とコモンモードノイズ(同一方向)がある  
 6.6 反射が生じると打ち消されない成分(コモンモードノイズ)が発生する
 6.7 ノイズ放射のメカニズムとS/N劣化のメカニズム  

第7章 イミッタンスチャート(スミスチャート+アドミタンスチャート) の作り方と使い方
 7.1 直列素子のインピーダンスを扱うときに便利なスミスチャートを作成する  
 7.2 反射係数ρと特性インピーダンスZ0のグラフを作成する  
 7.3 スミスチャートを使って反射係数と負荷のインピーダンスを読み取る  
 7.4 スミスチャート上のインピーダンスの動きの意味  
 7.5 並列素子を扱うときに便利なアドミタンスチャートを作成する  
 7.6 アドミタンスYと反射係数ρの関係をグラフで表す  
 7.7 イミッタンスチャート上でインピーダンスを求める  
 7.8 チャート上の移動量Δが追加すべき素子の種類と大きさを決める(移動量の見方)  
 7.9 負荷とのインピーダンスマッチングをとるための回路の決定  
 7.10 移動量Δから回路定数を求める  
 7.11 リアクタンスとサセプタンスの移動量Δによる影響  

第8章 高周波特性を評価するパラメータと高周波測定の実際
 8.1 Sパラメータ(S行列、Scattering Parameter)  
 8.2 伝送特性と反射特性  
 8.3 リターンロスとは  
 8.4 定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)とは反射特性を表したもの  
 8.5 高周波における電子部品の性能――周波数が高くなったときの問題  
 8.6 抵抗の周波数特性  
 8.7 インダクタの高周波特性  
 8.8 コンデンサの高周波特性  
 8.9 ネットワークアナライザによる集中定数回路と分布定数回路の測定例  
 8.10 電子回路の性能を最大にするための実装上の注意  

巻末資料1 フーリエ級数  
巻末資料2 微分方程式の解き方  
巻末資料3 スミスチャートの作成  
巻末資料4 直列回路から並列回路への等価変換の証明  
巻末資料5 アドミタンスチャートの作成  
巻末資料6 インピーダンスマッチング回路は共役  
参考文献  
索  引  

はじめに

 電子機器は機能・性能の向上のため、信号処理速度が高速化しています(データ処理スピードの高速化が求められています)。このことは電子機器の信号処理回路系で扱うクロックが非常に高くなってきており、それに対応したICやシステムが高速になってきていることになります。こうした高速化の傾向は今後もずっと続くものと考えられます。今まで比較的低い周波数を対象としてきた回路設計者(アナログ回路やデジタル回路またはアナ・デジ混在回路関係)も扱う基本クロックが数十MHz程度以上でも、高周波における現象を考慮して設計をしなければならない状況となっています。

 また回路設計者や機構設計者だけでなく、数百MHzからGHz帯までの周波数を対象とした部品(IC、コネクター等)を設計または評価する技術者等も同様にこれら高周波に対する知識や技術を必要とします。こうした現状を考えると高周波に対する幅広い知識を知っておく必要性がでてきます。本書は前著である「わかりやすい高周波技術入門」をさらに進めて実際の業務に役立てることができるように重要なポイントについて解説したもので、前著に比べてさらに実用面で役立つことを意図しております。

 本書の構成は第1章ではデジタルクロックに含まれる周波数スペクトラムやその高調波が変化したときに波形に与える影響についての基本的な考え方、第2章では電磁波の進む速度と信号の波長の関係、第3章では集中定数回路と分布定数回路の違い、それらにおける信号伝送の条件、第4章では伝送線路の特徴、特性インピーダンスと信号の反射の理解、第5章では高周波信号を扱うときのインピーダンスのマッチングについて、なぜインピーダンスマッチングを必要とするのか、第6章では反射が発生するとどのような問題が発生するかを理解し、インピーダンスマッチングの必要性を述べています。第7章ではインピーダンスマッチングを視覚的にとらえることができるスミスチャート、アドミタンスチャートの作成方法、これらを合わせたイミッタンスチャートの見方、インピーダンスマッチングを取るときのマッチング回路の決定方法などについて述べています。第8章では高周波のパラメータについて、理解や実際の測定例について述べています。

 本書は主として次のような読者の方にお薦めです。
 * 高周波に関する回路設計に従事されようとしている技術者
 * 高周波のデバイスや材料などを評価しようとする技術者
 * 数十MHzから数百MHzまでの回路設計を行っているアナログ回路設計者、デジタル回路設計者
 * プリント回路設計(パターン設計)を行っている技術者
 * 回路設計者以外の電子デバイス(IC、高周波コネクターのような部品)の設計者およびこれらの高周波特性の評価技術者
 * 高周波関連の機器やPCBを評価する品質保証関係や生産技術関係の技術者

 始めから順次読んで理解しながら進めていくこともできますが、各章ごとに解説、重要ポイントという構成にしてあるので必要な章ごとに焦点を当てて読んでいくこともできるように配慮しました。読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。
 最後に本書をまとめるにあたり、有益なアドバイス、ご指導をいただきました書籍編集部副部長の鈴木徹氏、日刊工業出版プロダクションの井口隆子氏に心から感謝します。

2006年9月
著者 鈴木 茂夫

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