環境調和型新材料シリーズ
熱電変換材料
定価(税込) 3,240円
編者 |
(社)日本セラミックス協会 ![]() |
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編者 |
日本熱電学会 ![]() |
サイズ | A5判 |
ページ数 | 210頁 |
ISBNコード | 978-4-526-05538-6 |
コード | C3034 |
発行月 | 2005年10月 |
ジャンル | 化学 |
内容
環境問題と省エネルギー対策に絡み、熱電材料に対する社会的ニーズが増えている。熱電の特徴は、単純な構造で小型軽量。出力電流密度も大きく、実用化に向け新たな展開がある。本書は熱電材料の研究動向、実用化に向けての課題や将来性などについて、研究の最前線で活躍する研究者自らが「研究開発の戦略・コンセプト・哲学」まで踏み込んで解説している。
目次
環境調和型新材料シリーズ「熱電変換材料」 目次
まえがき
執筆者一覧
〈総論〉
1 いま、なぜ“熱電”か?
2 熱電変換の物理
3 熱電変換材料
4 熱電変換素子・モジュール
5 熱電変換システム
6 熱電変換特性の測定
6.1 材料特性
6.2 モジュール特性
〈各論〉
1 非酸化物系材料
1.1 テルライド系
1.2 シリコン・ゲルマニウム系
1.3 シリサイド系
1.4 スクッテルダイト系
1.5 ハーフホイスラー金属系
1.6 亜鉛・アンチモン系
1.7 ホウ素化合物
1.8 クラスター固体
前1行あき2 酸化物系材料
2.1 層状酸化コバルト系―?
2.2 層状酸化コバルト系―?
2.3 酸化亜鉛系
2.4 酸化チタン系
2.5 自然超格子系
3 構造・形態制御
3.1 アモルファス
3.2 人工超格子
3.3 エピタキシャル薄膜
3.4 ナノ構造制御
3.5 配向組織制御
3.6 メカニカルアロイング
4 応用開発
4.1 酸化物熱電モジュール
4.2 マイクロ熱電素子
4.3 熱電式ガスセンサ
4.4 磁気効果応用素子
〈結び〉
1 熱電変換技術と日本経済
2 熱電変換材料はセラミックスが主役
索引
はじめに
まえがき
21世紀に解決が迫られている課題の中で環境問題とエネルギー問題は重要な課題でしょう。(社)日本セラミックス協会は環境に調和した科学技術でこの問題に貢献すべきだと考え、「環境調和型新材料シリーズ」を日刊工業新聞社と協力して出版することにしました。
高機能を持った新素材・新材料の出現によりシステムが根本から変わることが多いでしょう。それ故、材料を重視した川上からの技術開発に役立つ“物づくり―材料開発”への要求があります。「環境調和型新材料シリーズ」の 「熱電変換材料」は環境調和型エネルギー材料の必要性と将来性を伝える夢のある本を狙っています。
本書のコンセプトは単なる現状整理の本ではなく、従来から熱電を研究してきた人、企業・大学・研究機関でこれから熱電の研究・開発を行おうとする人、新しく熱電のテーマを立ち上げようとする人に実際に役に立つ材料研究・開発のコンセプトを教える本で、大学生程度で読めるような平易な文章で書かれています。
それぞれの研究・開発グループは独自の研究開発の戦略、コンセプト、哲学を持ち、それをベストだと信じて研究を進めておられます。単なる最新情報、レビューの本は数多くありますが、研究開発のコンセプトにまで触れて書いてある本はほとんど見かけません。研究開発のコンセプトは、他の領域の物づくりにも適応できる息の長い基本的なものでありましょう。この領域(エネルギー、環境など)の著作は多く、関心のある読者層は多いでしょう。単なる最新情報、レビューの本ではなく、研究開発のコンセプトにまで触れて書いてある本という点で貴重な著作と考えます。
本書は、総論、各論、結びの3編からなります。各論が本書のコンセプトを盛り込んだ特徴を発揮する編ですが、熱電の初心者でも各論が読めるように教科書的な内容を総論に盛り込み、本書だけで熱電の全体像がつかめるようにしました。最後に結びを入れて熱電の大きな指針を盛り込みました。編集は(社)日本セラミックス協会と日本熱電学会とが共同で行いました。
本書の出版に当たり、“熱電変換材料”編集委員、(社)日本セラミックス協会出版委員会、(社)日本セラミックス協会編集部、日刊工業新聞社の編集部、日本熱電学会には大変お世話になりました。記して御礼申し上げます。
2005年10月
(社)日本セラミックス協会
“環境調和型新材料シリーズ”:“熱電変換材料”編集委員会
委員長 木島 弌倫