買い物かごへ

粉体工学叢書 第2巻
粉体の生成

定価(税込)  3,456円

編者
サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-05480-8
コード C3043
発行月 2005年09月
ジャンル 化学

内容

粉体工学は、すべての産業にかかわる重要な基礎工学の一つであり、粉体の高度処理や微細化など、近年、著しい発展を遂げている。本叢書は、実務者を対象として基礎理論から実操作技術までを網羅した粉体工学の集大成とも言うべきシリーズ。

目次

発刊のことば  
序文  
粉体工学叢書 編集委員  

はじめに  
執筆者一覧  

第1章 粉砕による粉体の生成
1.1 粒子の力学物性と単一粒子の破壊  
1.1.1 単粒子破壊の種類  
1.1.2 単粒子破壊の理論と実際  
1.1.3 単粒子の強度  
1.1.4 破壊に及ぼす荷重条件の影響  
1.1.5 単粒子破砕産物の破断面と粒子径分布  
1.2 粉砕  
1.2.1 エネルギー法則  
1.2.2 粉砕抵抗と粉砕効率  
1.2.3 粉砕速度論  
1.2.4 粉砕助剤  
1.2.5 乾式・湿式粉砕の比較  
1.2.6 摩耗現象  
1.3 粉砕装置  
1.3.1 粉砕原料の大きさによる分類  
1.3.2 材質による分類  
1.3.3 粉砕システム  
参考・引用文献  

第2章 成長法による粒子生成
2.1 核生成による粒子の発生と成長  
2.1.1 核生成および成長機構の分類  
2.1.2 発生した微粒子の凝縮および凝集による成長  
2.1.3 微粒子性状の評価と制御  
2.2 気相プロセス  
2.2.1 CVD法による微粒子の製造  
2.2.2 PVD法による粒子製造  
2.2.3 CVD法により製造される微粒子の物性制御  
2.3 液相プロセス  
2.3.1 沈殿析出法による粒子の生成  
2.3.2 溶媒蒸発法による粒子の生成  
2.3.3 噴霧乾燥法  
2.3.4 凍結乾燥法  
2.4 固相プロセス  
2.4.1 固体の熱分解法  
2.4.2 固相反応法  
2.4.3 還元法  
2.4.4 固相結晶化法  
2.4.5 水中結晶化法  
2.4.6 水熱結晶化法  
参考・引用文献
  
第3章 メカノケミストリー
3.1 基礎  
3.1.1 固体の活性  
3.1.2 固体の破壊と表面エネルギー  
3.1.3 破壊による固体表面の構造変化  
3.1.4 粉砕平衡とメカノケミカル効果の平衡  
3.1.5 粉砕と結晶構造変化  
3.1.6 メカノケミカル活性化に伴う諸現象  
3.1.7 複合化  
3.2 応用  
3.2.1 材料合成  
3.2.2 環境に優しい素材製造プロセス
(ソフトソリューションプロセス)  
参考・引用文献  

第4章 離散要素法を利用した粉砕機の設計および操作の最適化
4.1 転動ミル  
4.1.1 ミル内媒体の運動  
4.1.2 消費動力と粉砕速度  
4.1.3 粉砕産物の粒子径分布予測  
4.2 その他のミル  
参考・引用文献  

索 引  181

はじめに

 固体を粒子・粉体とすることにより,次のような効果が期待できる.①表面積が大きくなり活性になるため,溶解性や反応性が増大する.②流れやすくなるため,連続あるいは断続的に供給・排出,成形が可能となり,計測と制御が容易となる.③分散,混合,均質化・傾斜化など組成や構造を制御しやすい.④成分の分離がしやすい.⑤粒子径が数十nm以下になると,量子効果によりバルク体にない機能が発現される.

 粉体の生成方法は,固体に機械的なエネルギーを加えて細分化する粉砕法(breaking―down process)と,原子,分子の集合体を合体,成長させていく成長法(building―up process)とに大別される.粉砕法は太古の昔から行われてきた操作ではあるが,今日でも資源再利用には欠かせない基盤技術でありその重要性を失っていない.第1章の1.1で粉砕の基礎となる粒子の力学物性と単一粒子の破壊現象,1.2で粒子集合体の粉砕が取り上げられ,1.3で粉砕装置が紹介される.

 上述の効果⑤を発現できる粉体を粉砕法によって得ることは不可能で,成長法によってはじめて可能となる.このように成長法によって,より微細で組成,構造が高度に制御された粒子・粉体の生成が可能であり,近年益々その重要性を増してきている.第2章でこの成長法を取り上げ,2.1で各プロセスに共通する成長法の基礎を解説し,2.1,2.2,2.3でそれぞれ気相,液相,固相プロセスについて説明する.

 粉砕機は近年化学反応装置としても注目されているので,第3章においてメカノケミストリー(機械化学)の基礎と応用が解説される.機械化学の目的は粉体の生成ではなく粉体反応であるので,第8巻「粉体の反応」で取り上げてもよいが,まだ粉砕操作の応用として議論されることが多いので,本巻で取り上げた.

 DEMに代表されるシミュレーションは,粉砕機の設計・操作の最適化ですでに実用化の段階に来ているので,第4章で適用例を紹介する.

2005年9月
担当編集委員 椿 淳一郎 

買い物かごへ