買い物かごへ

Electronic Engineering Books
実践 アナログ回路設計・解析入門

定価(税込)  3,024円

著者
サイズ A5判
ページ数 272頁
ISBNコード 978-4-526-05400-6
コード C3054
発行月 2005年01月
ジャンル 電気・電子

内容

「アナログ回路」技術は、デジタル時代になって、ますます重要になってきている。本書は、その主要技術の設計知識と代表的な回路技術を紹介するもの。ディスクリート部分で組む意義のあるアナログ回路を設計するための基本を豊富な図面とシミュレータを使って丁寧に解説。

目次

目 次

まえがき?

第1章 ダイオードとトランジスタ

1.1 ダイオード

1.1.1 ダイオードの特性と解析モデル

1.1.2 ダイオードの温度特性

1.1.3 大電流領域でのダイオード特性

1.1.4 逆方向特性

1.1.5 寄生容量

1.1.6 応答速度

1.1.7 発光ダイオード

1.2 トランジスタ

1.2.1 トランジスタの静特性とモデル

1.2.2 トランジスタの定格と電気的特性

1.2.3 アーリー効果

1.3 線形増幅回路

1.3.1 エミッタ接地増幅器

1.3.2 レベルシフト回路

1.3.3 高周波特性

1.3.4 エミッタフォロワ

1.3.5 多段増幅回路

1.3.6 トランジスタの直・並列接続

1.4 トランジスタのスイッチング動作

1.4.1 抵抗負荷インバータ回路

1.4.2 トランジスタのスイッチング

1.4.3 容量性負荷の駆動

1.4.4 誘導性負荷の駆動

1.5 MOSFET

1.5.1 MOSFETの基礎

1.5.2 MOSFETの特性

1.5.3 MOSFETの等価モデル

1.5.4 MOSFETの定格と仕様

第2章 受動部品

2.1 抵抗

2.1.1 抵抗の種類

2.1.2 抵抗の寄生素子

2.1.3 スパイクノイズ

2.1.4 可変抵抗

2.1.5 配線パターンの抵抗

2.2 コンデンサ

2.2.1 コンデンサの種類と特性

2.2.2 アルミ電解コンデンサ

2.2.3 ソリッドタンタル電解コンデンサ

2.2.4 無極性コンデンサ

2.2.5 コンデンサの配置

2.2.6 コンデンサに関連する式

2.2.7 コンデンサの寄生素子

2.3 インダクタンス

2.4 RCL回路

2.4.1 RC回路

2.4.2 RL回路

第3章 電源回路

3.1 整流・平滑回路

3.1.1 半波整流・平滑回路

3.1.2 全波整流・平滑回路

3.1.3 倍電圧整流・平滑回路

3.1.4 コッククロフト回路

3.1.5 ヒューズ

3.1.6 整流・平滑回路の解析

3.2 安定化電源

3.2.1 原理回路

3.2.2 誤差増幅器を備えた安定化電源回路

3.2.3 主トランジスタ

3.2.4 保護回路

3.2.5 必要な機能を備えた安定化電源

3.2.6 低ドロップアウト設計

3.2.7 3端子レギュレータ

3.2.8 使用上の注意

3.3 DC‐DCコンバータ

3.3.1 チャージポンプ回路

3.3.2 降圧形DC‐DCコンバータ

3.3.3 昇圧型DC‐DCコンバータ

3.3.4 反転形DC‐DCコンバータ

3.4 スイッチング電源

3.4.1 1石フォワードコンバータ

3.4.2 フォワードコンバータ(コンデンサ入力回路負荷)

3.5 フライバックコンバータ

3.6 プッシュプルコンバータ

3.6.1 プッシュプルフォワードコンバータ(1)

3.6.2 プッシュプルフォワードコンバータ(2)

3.6.3 プッシュプルフライバックコンバータ

3.6.4 フライバック方式の得失

3.6.5 自励式コンバータ

3.7 パルストランスの設計基礎

3.7.1 使用磁束密度

3.7.2 インダクタンス値

3.7.3 巻き断面積の計算

3.7.4 パルストランスの寄生素子

3.7.5 コアロス

第4章 演算増幅器の基礎

4.1 演算増幅器の構成

4.2 電流・電圧変換回路

4.2.1 回路形式

4.2.2 用途および実用回路

4.3 反転増幅器

4.3.1 反転増幅器の構成

4.3.2 抵抗値の選択

4.3.3 スリューレート制限

4.3.4 反転増幅器の周波数特性

4.3.5 ノイズ処理

4.4 非反転増幅器

4.4.1 基本構成

4.4.2 非反転増幅器の変形例

4.4.3 電圧フォロワ

4.4.4 応用例

4.5 加算器

4.5.1 反転加算器の構成

4.5.2 反転加算器の応用

4.6 加減算器

4.6.1 基本構成

4.6.2 加減算器によるノイズ除去

4.6.3 両極性定電流回路

4.6.4 多入力加減算器

4.7 計測増幅器

4.8 積分回路

4.9 微分回路

第5章 演算増幅器の応用

5.1 ダイオードによる非線形回路

5.1.1 理想化ダイオード回路

5.1.2 折れ線回路

5.1.3 精密全波整流回路

5.1.4 折れ線回路の応用

5.2 高電圧演算回路

5.3 布線法の例

5.3.1 大電流回路

5.3.2 梯形布線方法

5.4 トランジスタとの組み合わせ回路

5.4.1 出力電流増大回路

5.4.2 定電流回路

5.5 アクティブフィルタ

5.5.1 低域通過フィルタ

5.5.2 帯域通過フィルタ

5.5.3 高域通過フィルタ

5.5.4 帯域除去フィルタ

5.5.5 移相回路

第6章 電力増幅器

6.1 電流源

6.2 抵抗負荷差動増幅器

6.3 能動負荷差動増幅器

6.4 2段差動増幅器

6.5 プッシュプル出力段

6.6 電力増幅器例

第7章 応用回路

7.1 半導体ひずみゲージアンプ

7.1.1 2線式伝送方式

7.1.2 定電流電源

7.1.3 ブリッジ励起回路

7.1.4 増幅部

7.2 インダクタンス負荷交番定電流回路

7.2.1 電力回生の原理

7.2.2 高速交番励磁回路

7.2.3 切り替えタイミング制御例

7.3 ピラニ真空計

7.4 圧電素子駆動回路

7.5 ウィーンブリッジ正弦波発振回路

7.6 片極性高電圧出力回路

7.7 金属箔ひずみゲージアンプ

第8章 回路シミュレーション

8.1 回路シミュレータSPICE

8.2 素子モデル

8.3 回路シミュレータの効用と限界

8.3.1 破壊しない素子

8.3.2 部品の偏差

8.3.3 解析時間の設定

8.3.4 熱帰還

8.3.5 設計と解析

8.4 回路シミュレータによる解析例

8.5 回路シミュレーションのすすめ



付録:連続モードフライバックコンバータの解析

引用・参考文献

索引

はじめに

まえがき

近年の半導体技術の進歩に伴い、多くのアナログ回路を演算増幅器形式で実現できる時代となった。A‐D、D‐A変換器の性能が向上したので、信号レベルが高ければ、デジタル信号に変換しその後の信号処理や演算はマイクロコンピュータが行うシステムが普及した。

しかし、システムの入り口であるセンサ信号の増幅や、その出口であるモータなどのアクチュエータを駆動するためには、個別部品を含むアナログ回路が必要である。このようなアナログ回路部分の多くは、集積回路と個別部品の相乗効果による能力を発揮させる工夫と戦略を必要とする。

したがって、先人の残してくれたさまざまな回路形式の特徴を理解し、発展させる設計が望まれる。

エネルギー変換を伴うDC‐DCコンバータやスイッチング電源回路は、インダクタンス、コンデンサと半導体スイッチ回路などで構成される。電源回路はすべての回路ユニットの電力を扱うので、いまもなお個別部品で組む必要性の高い回路部分である。強電分野では当然のように取り組まれるエネルギー形態の変換技術は、多くのアナログ電子回路設計者にとって不得手とも言える領域に属するので、その解析手法を詳しく述べる。

集積回路技術の発達した時代においては、工学的に意味のある個別部品を用いたアナログ回路は、たとえば高電圧、微小電流増幅、微小電圧増幅、精密定電流回路、大電力リニア増幅器などの厳しい目標性能を要求される回路が多い。

本書は、このような課題に対して多少なりとも設計指針、解析手段そして設計課題の解決の道筋を例示することを目標としている。実用レベルの回路設計においては、その回路形式の選択や回路定数決定には構成部品の2次的な性能に対する評価が反映されている。手解析では解析対象を絞り込むことが困難な課題も含まれる。

回路シミュレーションを活用し、理想的な解析条件から次第に複雑なモデルの解析を行うことは、解決しなければならない技術的課題の定量的把握に有益である。本書では基礎的な回路からより複雑な回路の動作まで、回路シミュレーションの結果を随時、提示する構成をとっている。

本書では図表を多く使用し、アナログ電子回路設計の流れを視覚的にたどりやすいように配慮した。なお、回路図の原稿作成に際しては木下隆作「回路図描画ツール」ver.2.10 ExES2.xlsを使用させていただいた。

個別部品で構成するアナログ回路のシミュレーションでは、デバイスパラメータを完全には特定できないことが多い。回路機能上、必要とするパラメータを合わせこむだけで十分な回路情報が得られると考えている。

回路シミュレーションにはPSpiceを使用した。その利用に際しては、サイバネットシステム(株)の早山氏に資料のご提供と解析結果の表示方法など助言をいただいた。



本書の執筆にあたり、アナログ回路に関連する多くの先人の工夫を参考にさせていただいている。直接引用させていただいた部分もある。そして、優秀な部品を供給し、その技術情報を開示している部品メーカーの技術者の方々にも合わせて謝意を表したい。

また、職場の上長、同僚各位の有益なるご協力に感謝するとともに、よい機会を与えていただき出版にご尽力された日刊工業新聞社書籍編集部の方々に御礼申し上げる。



世代を超えて、教えていただいた人達と教わる人達に捧げる



2005年1月

著 者

買い物かごへ