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おもしろ話で理解する力学入門

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-05371-9
コード C3053
発行月 2004年11月
ジャンル 機械

内容

「力学」は科学や技術、ひいてはモノづくりの基本。技術者であれば必ずマスターしておきたい。本書は力学の各法則はどのようなものであり、どのようなとことに適用されているかを親しみやすい例を用いてわかりやすく解説した入門書。

目次

目 次





まえがき



第1章 力学を支配するもの

01話 古代エジプト人も力学を知っていた!?・2

─斜面は引き上げる力が小さくてすむ

02話 水の力学,要は圧力だ・7

─パスカルの原理と圧力

03話 浮力は姿じゃなくて中身だよ・10

─アルキメデスの原理とは

04話 動く原因と動かない原因は同じもの・15

─ニュートンと運動の第1法則

05話 力が加速度を生み,加速度が力となる・17

─運動の第2法則が示すもの

06話 押せば必ず押し返される・20

─作用と反作用



第2章 力は変化する

07話 リンゴが教えてくれた見えない力の存在・24

─万有引力の法則と落下の力学

08話 動かなければ仕事にならない!・26

─力とエネルギーの関係

09話 持ち上げるために押さえつける?・28

─モーメントの保存とてこの原理

10話 七転び八起きの達磨さん・30

─やじろべえの力学

11話 クレーンに動滑車が使われているわけ・33

─滑車による力とエネルギー



第3章 直線運動の力学

12話 運動に関係するもう1つの重要な量・38

─運動量と運動量保存則

13話 重心位置の移動速度は変わらない・41

─衝突する球の重心の運動

14話 ぶつかったら速度が入れ替わった!?・44

─衝突する球の運動と運動量の関係

15話 消えた運動量の行方を追え・46

─運動量と作用する力の関係

16話 切っても切れない2つの法則・50

─運動量保存則とエネルギー保存則

17話 夏の時間はゆっくりと進む?・54

─振り子の運動と作用する力の関係

18話 くるくる回るけど振り子です・59

─円錐振り子の運動

19話 振り子とスプリングの共通点・61

─スプリングの運動と作用する力の関係





第4章 回転運動の力学

20話 回るものには常に力が働いている・66

─遠心力が作用するしくみ

21話 ドーナツと円盤の回転のエネルギー・70

─回転運動と慣性モーメント

22話 転がるより滑る方が速い・74

─回転運動とエネルギー保存則

23話 その方向が重要だ・78

─角運動量をベクトルで考える

24話 走っている自転車はなぜ倒れない?・82

─角運動量保存則が示すもの

25話 コマを利用して方向を知る・85

─角運動量保存則の化身・ジャイロスコープ

26話 ふらふらはノックダウンの前触れ・88

─回転体の歳差運動と重力



第5章 力の発生

27話 摩擦って何だ・94

─摩擦力と摩擦係数

28話 深い穴はまっすぐ落ちない・99

─地球の自転とコリオリの力

29話 圧力のpと運動量のp・103

─プロペラの推力と風車を回す風の力

30話 砲弾とロケット,飛ぶのは同じだ……・108

─運動量と力の違い

31話 酸素がないと飛べないジェット機・111

─ジェットエンジンの推力

32話 カラスが飛ぶと重くなる!?・114

─運動量と圧力,重量の関係

33話 いくつも組み合わせて,速く,遠く・116

─多段式ロケットの最終速度



第6章 天体の運動力学

34話 惑星は楕円軌道の上を回っている・120

─ケプラーの3つの法則

35話 地球の丸みに沿って落ち続ける人工衛星・122

─人工衛星に作用する力

36話 地球脱出成功への鍵は速度だ・126

─地球の引力から脱出するための条件

37話 そこに行くまでが大仕事・130

─人工衛星が静止軌道をとる過程

38話 地球の偏りが揺れを生む・132

─人工衛星の揺らぎ

39話 無重力を地球上でつくる・136

─ラグランジェ点と自由落下による無重力

40話 惑星の重力で燃費向上・140

─惑星探査機のスイングバイ

41話 月は海を動かしている・143

─潮の満ち引きのメカニズム





第7章 物質の力学

42話 始めと終わりだけが重要だ・148

─のびの変位とポテンシャルエネルギー

43話 原子同士はスプリングでつながっている!?・151

─水素分子を構成する原子間に働く力とその運動

44話 自由気ままに回転する分子・154

─分子の回転運動とそのエネルギー

45話 運動エネルギーは光になる・158

─電子の運動と光電効果

46話 決まった場所にしかいられない電子・161

─ボーアの原子模型

47話 分子の衝突が圧力になる・166

─気体分子の運動量と状態方程式



参考文献

英用語対比表

索 引

はじめに

まえがき



巨大な石を壮大な高さにまで積み上げたピラミッドを見るにつけ、古代人の幾何学と力学に対する知識の深さに驚かずにはいられない。石を持ち上げる単純な作業にも、てこの原理、作用・反作用の法則など経験から学びとった知識が生かされてきたのである。

近代力学は、17世紀、惑星の運動を詳細に観察・解析したケプラーの業績をうけて、そのデータをもとにニュートンが万有引力を見出すことで本格的な学問として体系化されてきた。ニュートンの第1法則、第2法則、第3法則はそれぞれ力学の本質として理解されるようになり、運動量保存則、エネルギー保存則などを加えて、力学は私たちの日常生活の行動から大気の自然現象、天体の運動、それに原子の運動を説明するための不可欠な道具として使われるようになった。

現在、力学は物理学の一分野として学ばれているが、現実にはすべての理工系学問の基本としてかかわっており、その細分化された分野として熱力学、流体力学、水力学、材料力学、電磁力学、量子力学など私たちの生活に密着した学問として大きく展開されている。その意味で現在の科学技術を支配している学問といえよう。

力学に関する書籍は数多く出版されており、実学としての役割を果たすために演習問題を解くための専門書も数多い。本書では専門書に触れる前段階として、力学のおもしろさと不思議さを理解してもらうために身近なことがらを紹介しながら「加速度」「コマの原理」「重力」などの事象を取り上げて、これらを原理と法則に基づいて理解できるように配慮してある。力学にはベクトルによる演算が多用されるが、ここでは、力学のベクトル表示による利点を示す程度にして、できるだけ数式を用いないで力学の基本を紹介している。なお、本書の作成にあたって、日刊工業新聞社の天野慶悟氏には出版までの調整などでお世話になり、深く感謝したい。

2004年11月

久保田浪之介

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