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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいミサイルの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05350-4
コード C3034
発行月 2004年09月
ジャンル ビジネス

内容

安全保障上、特異な兵器であるミサイル。途方もない巨費を投じたプロジェクトが日本を巻き込み進行中であるなど、今後も多くの注目を集める。本書はミサイルとそのシステムについてわかりやすく解説する。

目次

目 次



はじめに



第1章 ミサイルは戦場を変えた



1 ミサイルは誘導弾「ミサイルとは何か」

2 ミサイルとロケット「ミサイルの定義と推進方式」

3 ミサイルが戦場を変えた「ミサイル誘導の役わり」

4 誘導するミサイルと誘導されるミサイル「ミサイルの誘導方式」

5 ミサイルを用途によって分類すると「ミサイルの種類」

6 世界最初のミサイルは無人飛行機V‐1号「パルスジェット搭載の無人機」

7 戦略ミサイルV‐2号の誕生「宇宙開発の端緒となるミサイル」

8 ソ連は核弾頭ミサイルを目指した「V‐2号がもたらしたもの」

9 アメリカは戦略爆撃機を目指した「スプートニックショックと弾道弾」





第2章 ミサイルとはどんなものか



ミサイルの翼は何のためにあるか「ミサイルと飛行機の違い」

ミサイルはどんなメカニズムで飛ぶか「ミサイルの基本構造」

ミサイルはどのように目標を捕らえるか「シーカのしくみ」

ミサイルにはどんなエンジンが使われるか「ロケットエンジンのしくみと燃料」

ミサイルの弾頭にはどんなものを使うか「弾頭のいろいろ」

核弾頭を搭載するミサイル「果てなき開発競争」

空気で舵をきる「ミサイルの翼と旋回性能」

ロケットで舵をきる「弾道弾の舵取り方法」

機体を軽くする「軽量化と機体材料の関係」





第3章 誘導技術が決め手だ



ミサイルの誘導とは「ミサイルの誘導システムの長所短所」

ジャイロでミサイルを誘導する「慣性誘導ミサイル」

無線でミサイルを操作する「電波による誘導」

ガラガラ蛇にならったミサイル「赤外線による誘導」

赤外線ミサイルの秘密「大気の窓とミサイル」

画像で命中率を向上させる「画像誘導ミサイル」

ホーミング誘導の3つの方式「ホーミング誘導の種類と特徴」

地上の管制装置との連携「指令誘導の原理」

ミサイルを常に目標に向けて飛翔させる「目視線航法と指令誘導」

ミサイルと目標の角度を一定に保つ「比例航法とミサイル旋回性能」





第4章 戦術ミサイルと戦略ミサイル



戦術ミサイルとは「戦術ミサイルの種類」

空中戦に使われるミサイル「短射程空対空ミサイルの赤外線誘導」

長射程化が課題「短射程地対空ミサイルの赤外線誘導」

電波誘導の欠点を克服する「長射程対空ミサイルの慣性誘導と電波誘導」

長射程が基本の対艦ミサイル「慣性誘導と電波誘導と画像誘導の組合せ」

欺まんされやすい対ヘリコプタ・ミサイル「赤外線と画像誘導の組合せ」

誘導爆弾はミサイルか「落下速度を利用した制御」

対戦車ミサイルが陸上戦術を変えた「成形薬を用いた対戦車ミサイル」

構造と誘導方式が簡単な対戦車ミサイル「有線誘導ミサイル」

レーザ光の道筋に沿って飛翔する「レーザ誘導ミサイル」

飛翔中のミサイルから画像情報を得る有線誘導ミサイル「光ファイバー誘導ミサイル」

戦車の装甲板とミサイル弾頭の開発競争「ノイマン効果の弾頭」

戦車装甲を攻略する「運動エネルギーによるミサイル」

戦略ミサイルとは「各種弾道弾とその弾頭」

残存性の高い戦略ミサイル「潜水艦発射ミサイル」

弾頭の種類と射程によって役わりが変わる「中距離弾道弾と大陸間弾道弾」

ミサイルをどのように隠すか「大陸間弾道弾の発射装置」

ミサイルをミサイルで撃ち落とす「ミサイル迎撃ミサイルとTMD構想」

偵察衛星を破壊する「衛星迎撃ミサイル」





第5章 ミサイルに搭載されるエンジン



ロケットかジェットか「ミサイル用エンジンの使い分け」

ミサイル用ロケットに求めらる条件「液体ロケットと固体ロケット」

固体ロケットで大型ミサイルを飛ばす「液体推進薬の弱点と固体推進薬の進展」

V-1号の革新的なエンジン技術「パルスジェットエンジンの独創性」

現在のミサイル・ロケットに多大な影響を与えた「V-2号の革新的なエンジン技術」

ジェットエンジンのミサイル「巡航ミサイルはジェットエンジン」

超音速ジェットミサイル「ラムジェットミサイル」

実用化されたラムジェットミサイル「大型ラムジェットミサイルの開発」

固体燃料を用いたラムジェットエンジン「ダクテッドロケット」

極超音速ジェットエンジンに挑戦する「スクラムジェットのミサイル」





第6章 ミサイルから逃げる



ミサイルに見つからないためには「ステルス航空機」

ミサイルを騙してやりすごす「デコイによる欺まん」

ミサイルに目隠しをする「煙幕・ジャマー・光による目くらまし」

ミサイルの噴射煙を少なくする「希煙性コンポジット推進薬」

ミサイルの噴射煙を消す「ダブルベース推進薬は無煙火薬」

ロケットの噴射炎を消す「燃料と空気を反応させない触媒の開発」

ミサイルの暴発を防ぐ技術「LOVA推進薬の開発」

壊れやすいロケットをつくる「不感型ロケットモーターの開発」





【コラム】

●V-2号はどうして生まれたか

●ミサイルは先端技術の集大成

●ITとピンポイント攻撃

●戦場の無人化・ミサイルとロボット

●合成ゴムとロケット燃料

●矛と盾のミサイル技術





参考文献

英略語表

索引

はじめに

はじめに



第2次世界大戦中に登場したミサイルはそれまでの軍事力のあり方を変貌させ、現在は国家防衛政策にまで大きな影響を与えるようになってきました。

ミサイルは飛んでいって敵の軍事施設および装備を破壊することに用いられますが、それまでの戦車、艦船、それに航空機などから発射される火砲に取って代わるものとなりました。現在、ミサイルに求められているのは、単なる当てればよいではなく、どこに当てるか高い命中精度です。いわゆるピンポイント攻撃ができる技術が求められているのです。ミサイルは目標以外には損傷を与えることのない戦場を駆ける高知能ロボットとでも言えるかもしれません。

戦争がお茶の間のテレビでリアルタイムで見られるようになってきました。これが良いことなのかは分かりませんが、現実にテレビカメラを付けたミサイルが命中するまでの映像を衛星放送を通じて全世界の人が視聴しています。このような技術は電子技術の発達に大きく依存してきており、パソコン、衛星放送、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオ、など私たちを取り巻く技術すべてがミサイルの性能を向上させていると考えても間違いないでしょう。軍事技術は古くから矛と盾の関係で止まることなく発達してきており、核爆弾の登場によって究極点に到達したかに見えますが、ミサイルの例を見てもわかるように常に新たな技術革新が登場しているのも確かです。

本書では、ミサイル登場の歴史的な背景と、先端技術によるミサイル技術の発展と現在の技術についてイラストを多用して理解できるように説明しています。

ミサイルはどの部品をとってみても最先端技術の塊です。これらはそれぞれの分野の専門家の技術成果でもあり、電子工学、材料力学、機構学、制御工学、空気力学、熱力学、火薬学などの技術集大成でもあります。したがってミサイル全般を完璧に説明できる人はいません。本書ではそれら専門技術のおおまかな概要を簡単に理解できるように読み物としてまとめ上げたものです。内容あるいは説明が不十分と感じられた方々のためにミサイルの専門書を参考文献として示してあります。さらに最新の技術情報については防衛技術協会が刊行している月刊誌「防衛技術ジャーナル」を参考にされればよいかと思います。



2004年 8月 久保田浪之介

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