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初心者のための接着技術読本

定価(税込)  3,780円

編者
サイズ B5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-05284-2
コード C3043
発行月 2004年05月
ジャンル 化学

内容

接着の基礎から接着の方法・表面処理、接着剤の選び方、各種接着剤の解説、接着剤の用途・応用実例まで、接着技術のすべてを初心者にも理解できるようにやさしく解説。関連業界の次代を担う人材育成用テキストとして最適。

目次

目次

まえがき

執筆者・編集委員一覧

第1章 接着の基礎

1.1 はじめに1

1.2 界面の強さを支配するもの 1

1.3 表面自由エネルギーと表面張力 2

1.4 くっついているエネルギー 3

1.5 固体の表面自由エネルギー 4

1.6 くっつけたものの強さ 5

1.7 くっついているエネルギーとはがすエネルギー 7

第2章 接着の方法・表面処理

2.1 接着方法 9

2.1.1 表面の調整 9

2.1.2 塗布 10

2.1.3 貼り合わせ 11

2.1.4 硬化・固化 11

2.2 被着材の表面処理13

2.2.1 表面処理の必要性 13

2.2.2 被着材の表面 13

2.2.3 表面処理の手法 14

2.2.4 表面処理の実際とその効果 18

2.2.5 まとめ 24

2.3 試験方法25

2.3.1 はじめに 25

2.3.2 接着試験 25

2.3.3 粘着試験 28

2.3.4 試験方法の適用と問題点 29

第3章 接着剤の選び方

3.1 接着剤の分類と特徴31

3.1.1 産出状態から 31

3.1.2 主成分から 32

3.1.3 性状から 33

3.1.4 用途から 34

3.2 接着剤選択の基準34

3.2.1 被着材は? 34

3.2.2 使用条件は? 34

3.2.3 作業条件は? 37

3.2.4 コストは? 39

3.2.5 接着剤選択の実際 39

第4章 接着剤各論

4.1 エポキシ樹脂系接着剤41

4.1.1 はじめに 41

4.1.2 エポキシ樹脂の種類と製造方法 41

4.1.3 硬化剤の種類と特徴 43

4.1.4 エポキシ樹脂の副資材 45

4.1.5 用途 48

4.2 光硬化系接着剤51

4.2.1 はじめに 51

4.2.2 光源 52

4.2.3 光硬化系接着剤の組成と硬化機構 54

4.3 アクリル樹脂系機能性接着剤62

4.3.1 嫌気性接着剤 62

4.3.2 第二世代アクリル系接着剤(SGA) 63

4.3.3 紫外線硬化性接着剤 64

4.4 ポリウレタン系接着剤64

4.4.1 はじめに 64

4.4.2 PU接着剤の原料 65

4.4.3 PU接着剤の製造方法 68

4.4.4 PU接着剤の硬化反応 69

4.4.5 PU接着剤の分類 70

4.4.6 PU接着剤の構造と物性 70

4.4.7 PU接着剤の接着の機構 71

4.4.8 PU接着剤の用途 72

4.4.9 接着性の評価 73

4.4.10 PU接着剤の衛生性および法規制 74

4.4.11 ウレタン接着剤使用上の注意点 74

4.4.12 PU接着剤と環境 74

4.5 ゴム系接着剤75

4.5.1 はじめに 75

4.5.2 天然ゴム系接着剤 75

4.5.3 クロロプレンゴム系接着剤 76

4.5.4 スチレンーブタジエンゴム系接着剤 78

4.5.5 ブチルゴム系接着剤 78

4.5.6 ニトリルゴム系接着剤 79

4.5.7 その他のゴム系接着剤 79

4.6 天然物系接着剤80

4.6.1 はじめに 80

4.6.2 天然物系接着剤の種類 80

4.6.3 おわりに 85

4.7 ホットメルト接着剤86

4.7.1 はじめに 86

4.7.2 ホットメルト接着剤の特徴 86

4.7.3 ホットメルト接着剤の種類と特徴 86

4.7.4 ホットメルトの使用方法 90

4.7.5 ホットメルトの主な用途 91

4.7.6 ホットメルト接着の主なトラブルと対策 92

4.7.7 ホットメルトの今後の課題 93

4.8 エマルション系接着剤93

4.8.1 はじめに 93

4.8.2 合成樹脂エマルションとは 94

4.8.3 エマルションの特徴 94

4.8.4 合成樹脂エマルションの種類 94

4.8.5 合成樹脂エマルションの製造方法 95

4.8.6 エマルション系接着剤の構成 96

4.8.7 エマルション系接着剤の種類と用途 97

4.8.8 エマルション系接着剤の今後の展開 97

4.9 ラテックス系接着剤98

4.9.1 ラテックスとは 98

4.9.2 ラテックス系接着剤の特徴 98

4.9.3 ラテックス系接着剤の種類と特徴 99

4.9.4 ラテックス系接着剤の配合 101

4.9.5 ラテックス系接着剤の架橋 101

4.10 粘着テープ102

4.10.1 接着と粘着 102

4.10.2 粘着テープの特徴 103

4.10.3 粘着テープの構造 104

4.10.4 粘着テープ工業 105

4.10.5 粘着剤 106

4.10.6 支持体 111

4.11 シーリング材113

4.11.1 シーリング材とは 113

4.11.2 シーリング材の役割と要求性能 113

4.11.3 シーリング材の分類 114

4.11.4 シーリング材の特徴 115

4.11.5 プライマー 117

4.11.6 シーリング材の施工 118

4.11.7 シーリング材の選定 120

4.12 水性系接着剤120

4.12.1 はじめに 120

4.12.2 水性系接着剤各論 120

4.12.3 おわりに 127

第5章 接着剤の用途・応用実例

5.1 建築・土木129

5.1.1 はじめに 129

5.1.2 建築内装用接着剤 129

5.1.3 屋外用および補修用接着剤 132

5.1.4 土木用接着剤 132

5.1.5 おわりに 134

5.2 木材・家具・木工135

5.2.1 はじめに 135

5.2.2 合板,LVL 135

5.2.3 木工 136

5.2.4 おわりに 139

補遺 特殊合板(オーバーレイ関係)140

1 オーバーレイの種類 140

2 作業上の留意点 140

3 ラッピング用ラミネーターの実際例 141

5.3 紙・包装141

5.3.1 製本 142

5.3.2 段ボール 142

5.3.3 製袋 143

5.3.4 紙器 143

5.3.5 紙管 143

5.3.6 ラミネート 143

5.4 自動車144

5.4.1 はじめに 144

5.4.2 車体工程用 145

5.4.3 塗装工程用 147

5.4.4 艤装工程用 148

5.4.5 内装部品用 149

5.5 車両150

5.5.1 はじめに 150

5.5.2 国内の現用車両における接着の応用例 150

5.5.3 国内の試作車両における接着 154

5.5.4 外国の車両における構造接着の応用例 156

5.5.5 おわりに 159

5.6 航空機160

5.6.1 はじめに 160

5.6.2 航空機用接着剤の性能 160

5.6.3 施工方法と施工上の留意点 162

5.6.4 適用状況と適用上の問題点 164

5.7(その1) 電気・電子機器167

5.7.1 はじめに 167

5.7.2 電気・電子機器における接着技術の利用の目的 168

5.7.3 電気・電子機器に使用される接着剤の特徴 169

5.7.4 電気・電子機器の種類と接着剤 170

5.7.5 適用事例 172

5.7.6 おわりに 177

5.7(その2) 電子部品178

5.7.1 はじめに 178

5.7.2 接着剤への要望 178

5.7.3 適用事例 178

5.8 医療用184

5.8.1 医療用粘・接着剤の要件 184

5.8.2 皮膚・粘膜用粘着剤 185

5.8.3 経皮吸収治療システム(TTS) 185

5.8.4 軟組織用接着剤・止血剤 186

5.8.5 硬組織用接着剤 188

5.8.6 おわりに 189

5.9 はきもの190

5.9.1 セメント式製法と接着剤 192

5.9.2 環境対応の現状 195

5.10 スポーツシューズ196

5.10.1 はじめに/スポーツシューズの構造 196

5.10.2 スポーツシューズの製法 197

5.10.3 スポーツシューズの接着に必要な特性 199

5.10.4 PU(ポリウレタン)系接着剤 200

5.10.5 CR(クロロプレン)系接着剤 200

5.10.6 主なスポーツシューズ材料の接着処方 200

5.10.7 水系接着剤 201

5.10.8 おわりに 202

5.11 スポーツ202

5.11.1 はじめに 202

5.11.2 素材技術の経過 202

5.11.3 接着技術の経過 203

5.11.4 スポーツ用具の接着設計 205

5.11.5 今後の課題 209

5.12 その他210

5.12.1 ガムテープと粘着テープ 210

5.12.2 親展用はがき 210

5.12.3 伝導性接着剤 211

5.12.4 短時間に固化・硬化する接着剤 212

5.12.5 日曜大工と接着剤 212

5.12.6 ゴムと接着 213

5.12.7 高温用接着剤 214

5.12.8 リサイクルと接着剤 214

第6章 接着剤とPRTR

6.1 はじめに217

6.2 PRTR法とは217

6.2.1 PRTR法の概要 219

6.2.2 PRTRおよびMSDS対象化学物質の具体的な選定基準 219

6.3 接着剤とPRTR 220

6.4 接着剤業界の対応 221

6.5 おわりに 221

第7章 用語 223

付録229

索引237

はじめに

ま え が き

接着剤を用いた接着接合の手法が従来からの溶接やネジなどの接合手法に代わって、航空機や自動車、電子・電気機器などの組立作業に広く採用されつつある。これは、20世紀の高分子化学の発展により高性能な接着剤が開発されたことも大きく寄与している。

接着接合の利点には軽量化や外観の美観などいくつかあるが、面接合による利点も大きく、溶接と接着を併用したウエルボンドでは疲労強さが向上することから、部材の薄肉化による軽量化が構造部材で検討されている。

欠点も数多くあるが、接着剤の改良や表面処理を含めた接着作業の改善などにより欠点の解消がなされている。また、耐久性についての検討も増加している。作業時間の短縮には短時間に固化・硬化する接着剤が求められている。しかし、耐熱性などに限界のあるのは止むを得ないことである。

国内で生産されている接着剤は100万トンを越えるが、大半は木材加工に用いられるものである。金属やプラスチックなどの接着にはエポキシ樹脂や光の照射で硬化する接着剤、第二世代アクリルなど特性の優れた接着剤が用いられている。接着剤の溶剤も水系へ変更が進行中である。

プラスチック用の接着剤ではポリプロピレンの接着に適したもので、ホットメルト(PP)や二液のアクリル系、ゴム系(SBR)などいくつかの接着剤が開発されており、特殊な表面処理を必要としない利点がある。

接着接合を工業的に採用するには、何を接着するのか、どの様な所で使用するのか、どの様な形状にするかなどいくつかの検討事項がある。また、表面処理を含めて再現性のある結果の得られる作業条件の確立が必要である。

精密機器に用いる接着剤では、応力解析をするために硬化物の弾性率や熱膨張率などの特性の評価・測定も必要であり、使用上限温度に対してはガラス転移温度(Tg)なども検討されている。

一方、接着剤をリサイクルして用いることは少ないが、素材のリサイクルに接着剤が障害となることのないような配慮が必要である。加熱して発泡させるなどの手法により接着強さを低下させ、接合部の破壊が容易となるような接着剤も開発されている。プラスチックでは同じ素材をホットメルトとして用いるが、熱融着などの手法で接着することも検討されている。プラスチックのマテリアルリサイクルでは異物の混入を防止することが強く求められている。

接着剤の使用時や使用後に発生する有機溶剤などの揮発成分(VOC)の低減が求められており、水系接着剤や無溶剤系接着剤の使用が増加しつつある。また、配合されている薬品類もより安全性の高いものに変更されている。

使用している接着剤のコストは組み立てた製品の価格の中に占める割合は少ないので、多少のコストアップになったとしても作業性の良い接着剤を選択することが望ましい。作業性の悪い接着剤は不良の発生する要因を数多く含んでいることが多い。

本書の内容は接着技術の基礎的な事項をまとめたもので、なぜ接着するかに続いて主要な接着剤の特徴、被着材に必要な表面処理、作業や試験の方法、安全上での課題などを前半に、後半は接着剤の用途・適用例を産業界別に紹介したものである。いずれも理解しやすく書かれているので、多くの方々に“接着”を理解いただけるものと期待している。

また、本書は日本接着学会が開催している入門講座に用いていたテキストを改定したものであり、接着技術に携わる関係各位の皆様に参考となるのと同時に、技術の発展に寄与することができれば幸である。

改定にあたってご執筆戴いた皆様に感謝申し上げます。また、出版にあたっては日刊工業新聞社 辻総一郎氏のご協力を戴きましたことに御礼申し上げます。



平成16年4月

編集委員 柳原 榮一

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