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自動運転のためのセンサシステム入門
車載カメラとLiDARによるセンサフュージョン

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08005-0
コード C3054
発行月 2019年09月
ジャンル その他 電気・電子

内容

今、自動車は100年に1度の大きな変革を迎えている。自動運転はその大きな流れの一つであり、自動運転に関わる技術への注目も高まっている。本書では、自動運転システムに欠かせないセンサシステム、センサフュージョンについて入門者向けに解説する。

伊東敏夫  著者プロフィール

(いとう としお)
1957年生まれ.1982年神戸大学工学部システム工学科卒業,同年ダイハツ工業株式会社に入社.カーエレクトロニクスの研究開発に従事.2013年同社を定年退職し,芝浦工業大学システム理工学部機械制御システム教授に就任.以来,運転支援システム研究室にて自動運転(センシング,システム,HMIなど)を研究開発中. 博士(工学)

目次

はじめに

第1章 自動運転に必要な環境認識センサ
1-1 運転支援システムの登場とレーザレーダ
1-2 運転支援システムの成熟と電波レーダ
1-3 自動運転の登場とLiDAR
1-4 車載カメラの実用化
1-5 自動駐車と超音波センサ
1-6 自律センサとインフラセンサ

第2章 各センサ技術の特徴
2-1 電波レーダ
2-2 レーザレーダとLiDAR
2-3 ステレオカメラ画像処理
2-4 単眼カメラ画像処理
2-5 超音波センサ

第3章 自動運転に必要なセンシング性能
3-1 テイクオーバー実験
3-1-1 テイクオーバー
3-1-2 実験シナリオ
3-1-3 実験結果
3-2 検出距離
3-3 空間解像度
3-4 物体認識
3-5 センサフュージョン

第4章 車載カメラによる認識技術の概要
4-1 車線認識
4-1-1 単眼カメラ
4-1-2 ステレオカメラ
4-2 車両認識
4-2-1 単眼カメラ
4-2-2 ステレオカメラ
4-3 歩行者認識
4-3-1 一撃アルゴリズムvs統計的アプローチ
4-3-2 HOGによる歩行者認識
4-3-3 ディープラーニングによる歩行者認識

第5章 LiDARによる認識技術の概要
5-1 車線認識
5-2 ポイントクラウドからの車両認識と歩行者認識
5-3 SLAMによる環境認識

第6章 車載カメラとLiDARによるフュージョン技術
6-1 センサフュージョンとは
6-2 複合型センサフュージョンの例
6-3 統合型センサフュージョンの例
6-4 融合型センサフュージョンの例
6-4-1 融合型センサフュージョンが有効な状況
6-4-2 認識対象の遷移対策
6-4-3 認識対象の横幅計測精度不足対策
6-4-4 路面反射物などの誤認識対策
6-5 連合型センサフュージョンの例
6-5-1 免疫とは
6-5-2 免疫機構
6-5-3 免疫ネットワーク
6-5-4 免疫ネットワークによる分散診断
6-5-5 LiDARとカメラのフュージョンへの応用
6-6 センサフュージョンの今後

補 章 重要事項の解説
A-1 測距手法
A-2 テンプレートマッチング
A-3 最小二乗法
A-4 ハフ変換
A-5 RANSAC
A-6 ディープラーニングの歴史
A-7 サポートベクターマシーン
A-8 免疫ネットワークの車々通信への応用例

おわりに
参考文献
索引

はじめに

 いよいよ自動運転が実現しそうになってきた.欧米では使用区間を限定した自動運転サービスが既に現実のものとなっている.
 自動運転を実現するためのコア技術は,ハードウエア的にはセンサ技術である.そして,今後普及するために必要なソフトウエア的なコア技術は,センサフュージョン技術であるといえる.
自動運転車が人間に代わって現実の世界で運転するためには,外界の状況を認識するセンサが不可欠である.そのため,ハードウエア的にはセンサ技術がコア技術になるのである.それでは,さらになぜソフトウエア的にはセンサフュージョンが必要なのだろうか.それは,外界を認識することが,一種類のセンサでは不十分だからである.外界センサには,超音波センサから電波レーダ,レーザレーダ(LiDAR)やカメラなどがある.これらのセンサ一種類のみで,人間並みに外界を認識することはできない.それぞれに一長一短があり,どれがベストともいえない.そのため,それぞれの欠点を補うように組み合わせて使う必要があるのである.この組み合わせというのは,それぞれのセンサ出力をソフト的に組み合わせるのである.そしてこの組み合わせをセンサフュージョンという.
 しかし,ただ組み合わせれば良いのではなく,それぞれのセンサの特性を十分理解した上で組み合わせる必要がある.さらに組合せにはノウハウがあり,そのためセンサフュージョンという専門用語が生まれたのである.
 本書は,自動運転に興味を持つ初学者を対象とし,自動運転用に用いられる各種の外界センサの基礎から,センサフュージョンまでをカバーしたものである.初心者でもわかるよう,工学系の教養課程を終了した時点での知識を前提に解説したつもりである.特に電気系だけでなく,電気以外の技術者もわかるよう原理から話を進める.また,外界センサの運転支援システム時代から,現在に至るまでの開発経緯も紹介し,今後の課題を感じ取ってもらえるようにしたつもりだ.
 自動運転はまだまだ未完成ともいえる状況なので,本書が,少しでも多くの方に興味を持ってもらい開発に参加するための助けとなることを願う.

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