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絵とき「ロボット工学」基礎のきそ

定価(税込)  2,640円

著者
サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-05909-4
コード C3053
発行月 2007年07月
ジャンル 機械

内容

ロボットの構成要素であるアクチュエータやセンサ、機械要素から、ロボットの運動学、制御学までを図表、写真を豊富に使ってわかりやすく解説する。ロボットの設計・製作に必要最低限の工学知識・理論などを学べる構成となっている。

門田和雄  著者プロフィール

 門田和雄(かどた かずお)
 1968年 神奈川県生まれ
 1991年 東京学芸大学教育学部技術科卒業
 1993年 東京学芸大学大学院教育学研究科技術教育専攻(修士課程)修了
 現在 東京工業大学附属科学技術高等学校・機械システム分野教諭、
慶応義塾大学、千葉大学にて非常勤講師

 ●主な著書
 ・「もの創りのためのやさしい機械工学」技術評論社、2001年
 ・「もの創りのためのおもしろいロボット工学」技術評論社、2003年
 ・「新しい機械の教科書」オーム社、2003年
 ・「もの創りのためのはじめての流体工学」(共著)、技術評論社、2005年
 ・「ロボット創造館」オーム社、2006年
 ・ 絵とき「機械要素」基礎のきそ、日刊工業新聞社、2006年
 ・ 絵とき「ねじ」基礎のきそ、日刊工業新聞社、2006年

目次

まえがき

第1章 ロボット工学のすすめ
 1−1 ロボット工学とは
 1−2 ロボット市場は立ち上がるのか
 1−3 福祉・介護ロボットの方向性
 1−4 レスキューロボットの可能性
 1−5 サービスロボットの安全性
 1−6 ヒューマノイドロボットの身体性
 1−7 ロボットの知能と感情
 1−8 ロボットコンテストと教育

第2章 ロボットの要素学
 2−1 アクチュエータ
 2−2 スイッチとセンサ
 2−3 機械要素

第3章 ロボットの運動学
 3−1 運動学の基礎
 3−2 運動学のためのベクトル
 3−3 運動学のための座標変換
 3−4 順運動学と逆運動学
 3−5 動力学

第4章 ロボットの制御学
 4−1 ロボットの制御とは
 4−2 制御の種類
 4−3 シーケンス制御
 4−4 空気圧システムの制御
 4−5 制御のためのラプラス変換
 4−6 伝達関数
 4−7 制御系の過渡応答
 4−8 制御系の周波数応答

 あとがき
 参考文献
 索  引

はじめに

二足歩行ロボットを各地で見かけるようになり、介護や警備、災害救助などの分野で活躍するロボットも増えています。今後は、家庭にもさまざまなロボットが入ってきて、人間とコミュニケーションをとる機会もますます増えてくるでしょう。

現在、ロボット工学の研究は、機械や電気、制御などを専門とする研究者たちがリードしており、さまざまな大学や研究所でロボットの研究が進められています。また、中学校技術科や工業高校、工業高専などでは技術教育のさまざまな場面でロボット製作が行われており、ロボットコンテストなども盛んです。ここでロボットに興味をもった若者たちの中から、将来、ロボット研究に取り組む人材が生まれることでしょう。

将来、ロボット研究に取り組みたいと思う人たちが若いうちから試行錯誤して、ものづくりに取り組むことはとても大事なことです。しかし、理工系大学でロボット研究に取り組もうとすると、そこで求められるのはものづくりの実践的な技能よりも、数学や物理などの数式だという話をよく聞きます。いくらロボットをつくりたいと思って大学に入学しても、数式の羅列の前に立ちつくしてしまう学生がかなりいるようです。工業高校などで大学入学までにロボットを製作できる知識や技術の基礎を身につけているならばまだしも、普通科の高校では技術教育に関する科目が一切ありませんから、ロボット研究をしようと思って入学してきた学生がものづくりに関する知識や技能を身につけている可能性は低いと思われます。

ロボット研究では、機械や電気などの実践的な知識や技術と並んで、数学や物理などの基礎知識が求められます。すなわち、技術を裏付けるための科学です。そして、前者に関してはある程度経験から入っていくこともできますが、後者に関してその学問のもつ抽象性の高さから、独学で身につけるのはなかなか難しいと思います。しかも、その数学や物理などの諸科目を純粋に学んでいくだけでは、その工学的な応用力をなかなか身につけることはできません。この数学や物理が、どのようにしてロボット研究に役立つのかということを把握しながら学んでいく必要があるのです。

ロボット製作というものに趣味の範囲で取り組むのならば、特に数式など意識せず、試行錯誤しながら自分の手を動かして、ロボットを動かすことができればよいでしょう。しかし、ロボットの寸法や動きを決めるときには数学を用いないと困る場面が多く、力学を知らないものづくりは合理的でない形状になることが多くあります。また、少なくとも大学等で研究としてロボットに関わっていくならば、単にロボットを製作するだけでなく、その結果を客観的なデータで表す必要が出てきます。それらの場面ではどうしても数学や物理が必要になってくるはずです。

本書では、まず第1章でロボット工学のすすめとして、ロボット工学の現状と動向、課題と展望などをまとめます。次に第2章において、ロボットを製作するための電気モータや空気圧シリンダなどのアクチュエータ、光センサや近接センサなどの各種センサ、そして、歯車やねじ、軸などの機械要素などをまとめます。数学や物理を道具として用いる場面が多い内容については、3章でロボットの運動学、4章でロボットの制御学としてまとめます。

本書では、単に機械や電気など技術的に取り組むことと並行して、そのベースとなる数学や物理を高等学校のレベルから学びながら、ロボット工学の基礎のきそを学んでいこうと思います。本書を通じて、ロボット好きの皆さんが、ロボット工学を学んでいくための第一歩を踏み出してもらえると嬉しいです。

なお、本書の出版にあたっては、東京工業大学附属科学技術高等学校の多胡賢太郎教諭、長谷川大和教諭に原稿をご覧いただき、数学や物理学の視点から、多くの貴重な助言をいただきました。厚くお礼を申し上げます。

2007年7月
門田和雄

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